図書系・技術系職員特集

深い知識や先見性を活かし、多岐にわたる業務にあたります。

図書系職員

田上 元江さん 赤木 智香さん

学びをサポートする快適な図書館を、大学の垣根を超えて創り上げていく

図書館によって利用する人のニーズは異なります。私が勤務している医学部図書館では、夜遅くまで勉強に励む学生が多いです。そのため、学生のニーズに合わせて、24時間開館しています。また、学生や先生方の意見を取り入れながら選書を行っており、医学や看護に関連する参考書や書籍を多く手配しています。

広島大学図書館は、3つのキャンパスにある5つの図書館で構成されます。多様な学部の利用者のため、それぞれ専門分野を考慮した蔵書構築、選書を行っています。また、自習スペースや授業で活用できるスペースを備えた図書館もあります。資料を利用する場所としての環境を整えることにも努めるようにしています。

それぞれの利用者のニーズに合わせて、図書館を過ごしやすい場所にすることが私たちの役割ですよね。私は「図書館はサービス業である」と考えています。例えば、単に本を探し出して提供するだけでなく、利用者に探し方を丁寧に指導するように心掛けています。利用者が自ら探せるようにサポートすることで、次回以降も図書館を利用しやすくなると考えています。

利用者が快適に過ごせるようにするためには、気持ちよく利用ルールを守っていただくことも重要ですね。そのため、伝える時は相手を尊重し、言葉遣いやトーンにも気を配っています。注意すべきことはしっかりと伝えながら、誰もが利用していて心地良い環境づくりを心掛けています。

大学の垣根を越えた交流も盛んです。図書館で活動する学生団体が参加するシンポジウムに出席した経験があります。それぞれの団体が活動報告を行う機会でしたが、それをきっかけに交流が深まり、合同でオンラインの読書会を開催しました。こういった交流を増やすことから図書館同士のつながりを強め、情報交換なども円滑に行えるようにしていきたいです。

大学図書館との連携以外にも、県内の公共図書館とも協力・連携した取り組みも行っています。これからも図書館サービスや広報活動の工夫などの情報共有を行い、良いアイデアは積極的に取り入れ、他の図書館と協力しながら、より良いサービスを実現するために改善を続けていきたいと思います。

図書系職員の仕事

大学や高等専門学校には、それぞれ図書館が設置されています。図書館は、現代の知識基盤社会において、国立大学法人等の諸活動に関わる知識(特に学術情報)の収集・保存および共有の仕組みとして機能し、国立大学法人等の行う教育・研究・社会貢献活動等を支えています。
図書系職員は、図書貸出からネットワークを利用した情報提供まで、利用者の要求に応え、新しい技術・知識を取り入れて、さまざまなサービスを提供しています。また、図書館専門の業務だけでなく、法人共通の業務にも幅広く関わっています。

業務内容

連絡調整

  • 法人本部との連絡・調整
  • 学部等の部局や教員等との連携
  • 学外の図書館関連機関・団体との連絡・調整、会議・講習会等の開催

サービス

  • 図書館資料を図書館や研究室に配備
  • 図書館資料の貸出・返却・各種サービス
  • 図書館設備の提供
  • 参考調査相談、利用指導
  • 資料の探し方の講習会の企画・実施
  • 文献複写等の取り寄せ・提供

整備

  • 図書館資料の選定・契約・購入・支払い
  • 図書館資料の目録作成、国立情報学研究所データベース等への登録
  • 貴重資料等のデータベースの作成
  • 機関リポジトリ等による学術情報の発信

企画

  • 法人等の目標・計画に基づく図書館運営方針の策定、新規事業および予算の立案
  • 図書館委員会等の開催
  • 展示・イベント等の企画・実施
  • アンケートの実施、統計の作成と分析

管理

  • 図書館業務電算システム等の導入・管理
  • 図書館施設・設備の設置・導入・管理
  • 図書館予算の執行・管理
  • 図書館職員やアルバイトの労務管理

図書系職員インタビュー

技術系職員

明上 純子さん 田中 幸記さん

専門分野を活かし、学生を指導する立場から学びをサポート

臨海実験所の技術職員は、調査船の操縦から生物採集、飼育まで、海に関わる研究活動のサポートを担当しています。また、文献で情報収集を行ったり、自身で調査研究を行ったりすることで、知識を持ち、安全かつ効率的なサポートができるように準備しています。

同じ技術職員でも、担当学部や所属場所によって業務内容が大きく異なるのですね!私は主に工学部における安全衛生業務を担当しています。巡回して危険な箇所を見つけ、改善を申請することで事故を未然に防ぐ努力をしています。また、現在は大学1年生の基礎実験を担当し、技術指導を行っています。

専門分野は異なりますが、学生に指導する機会が多いのは同じですね。私は、学生からよく「先生」と呼ばれます。教育を現場で支える技術職員として、実験を通して知識や技術の向上だけでなく、将来につながる経験を積んでもらえるように指導しています。大学1年生から大学院まで、学生の成長を近くで見ることができるのもやりがいの一つですね。

私も、「先生」と呼ばれる立場であることに責任とやりがいを感じています。技術職員として指導する上で大切にしているのは、学問や実験の楽しさを伝えることです。学生の興味に合わせて声を掛けたり、たわいもない話から会話を広げたりしていくことで、実験に興味を持ってもらえるよう努めています。

また、学内では他部署との関わりも深いですね。備品を購入するため事務の方に申請をする際には、購入理由を説明する必要があります。臨海実験所での取り組みや研究内容を数字を用いて具体的に示し、必要性を理解してもらえるよう努めています。研究力の向上のためにも、他部署の協力が重要です。

私は安全衛生委員会に所属しているため、教員との関わりも多いです。施設や設備について定期的に意見交換を行っています。また、高校生が実習に来た際にはサポートを行ったり、女性技術職員が講師を務める小学生向けのサイエンスイベントに参加したりと、大学という枠組みを超えた交流も多くあります。

技術系職員の仕事

大学や高等専門学校のキャンパスには、講義棟、実験研究棟をはじめ、附属図書館、附属病院、附属実験所、附属農場などさまざまな施設があり、多種多様な教育研究活動が行われています。
技術系職員は、これら施設の整備計画・維持管理など建設プロセスの全てをマネジメントする「施設系」と、専門知識を生かして、技術面から教育・研究をサポートする「教育研究系」に、大きく分かれており、大学・高等専門学校の運営に幅広く関わっていきます。
あなたもぜひ、この広いフィールドで「チカラ」を発揮してみませんか?

業務内容

施設系(整備計画・維持管理)

  • 施設設備にかかる企画および調査に関する業務
  • 建物、設備などの計画、設計積算、施工監理および検査業務
  • 工事の入札、契約および監督に関する業務
  • 施設の有効活用に関する業務
  • 環境保全および安全管理・安全教育に関する業務
  • 施設などにかかる新たな設備手法の導入に関する業務

教育研究系(教育・研究支援)

  • 実験・実習の題材の検討、器具類の準備・調整等、学生への技術指導
  • 実験設備・装置等の維持管理(整備、調整)等、安全な研究環境の提供
  • 装置を用いる実験・測定のための条件を検討、試料の調製・測定・解析等、精度の保障
  • 研究・実験に用いる装置等の設計・製作・改良、試料の作製等、幅広い実験の実現

技術系職員インタビュー