図書系・技術系職員特集
深い知識や先見性を活かし、多岐にわたる業務にあたります。
図書系職員

ビジネススキルと専門性を磨き、多様化する学びや研究のニーズに応える
私は徳島大学の図書館で雑誌などの契約を担当しています。学習や研究に役立つ雑誌を選定するために、行っているのは購入前の先生方への調査です。また利用者から、本のリクエストをいただくこともあり、参考になります。さまざまなニーズからどの本を選定するのか判断が難しいこともありますが、購入した雑誌を利用者が手に取っている姿を見ると、やりがいを感じます。
私は広島大学の図書館の職員として、ライティング支援や出版業務に携わっています。図書館に求められるニーズは多様化しており、さまざまなことに挑戦しています。現在、挑んでいるのは学生のライティング支援に生成AIを活用することです。他にも本の検索や選書にも使えないか模索しています。
AIの活用は目新しいですね!私が取り扱う海外の雑誌では、国を超える契約なので、日本の考え方が通用しない場合もあります。海外の出版社への連絡は、国内の代理店がしてくれますが、それでもさまざまな知識が必要です。わからないことは他の職員に聞き、毎日が学びになります。
多様な力を身に付けることができるのは、図書館業務の魅力ですよね。私も、アカデミックライティングを教えたり、情報リテラシーの講習会を行ったりしています。その中で、自分の言いたいことを、どのようにすれば伝わるのかを考えることで、伝達力が向上しました。
私が契約業務を行う中で、実感したのはスケジュール管理力の向上です。一つのミスによって最悪の場合、契約が締結できない可能性があります。そのため、一つひとつ丁寧に計画を立てて行うようになりました。結果として、常に段取りを考える力が身につきました。
ビジネススキルの向上だけでなく、各図書館と合同で行う研修などもあり、情報共有の場が豊富なのもうれしいところです。他の図書館の取り組みも知ることができ、生きた情報を得られます。多様化する学びや研究を支援する施設として、さらに価値を高めることができるよう努力を続けます。
図書系職員の仕事
大学や高等専門学校には、それぞれ図書館が設置されています。図書館は、現代の知識基盤社会において、国立大学法人等の諸活動に関わる知識(特に学術情報)の収集・保存および共有の仕組みとして機能し、国立大学法人等の行う教育・研究・社会貢献活動等を支えています。
図書系職員は、図書貸出からネットワークを利用した情報提供まで、利用者の要求に応え、新しい技術・知識を取り入れて、さまざまなサービスを提供しています。また、図書館専門の業務だけでなく、法人共通の業務にも幅広く関わっています。
業務内容
連絡調整
- 法人本部との連絡・調整
- 学部等の部局や教員等との連携
- 学外の図書館関連機関・団体との連絡・調整、会議・講習会等の開催
サービス
- 図書館資料を図書館や研究室に配備
- 図書館資料の貸出・返却・各種サービス
- 図書館設備の提供
- 参考調査相談、利用指導
- 資料の探し方の講習会の企画・実施
- 文献複写等の取り寄せ・提供
整備
- 図書館資料の選定・契約・購入・支払い
- 図書館資料の目録作成、国立情報学研究所データベース等への登録
- 貴重資料等のデータベースの作成
- 機関リポジトリ等による学術情報の発信
企画
- 法人等の目標・計画に基づく図書館運営方針の策定、新規事業および予算の立案
- 図書館委員会等の開催
- 展示・イベント等の企画・実施
- アンケートの実施、統計の作成と分析
管理
- 図書館業務電算システム等の導入・管理
- 図書館施設・設備の設置・導入・管理
- 図書館予算の執行・管理
- 図書館職員やアルバイトの労務管理
図書系職員インタビュー
技術系職員

学生に寄り添い、成長を見守る技術職員ならではのやりがい
私は技術職員として、学生に測量やコンクリートの配合、水質分析など、幅広い環境実験の指導や安全教育を行っています。技術職員になって驚いたのは学生と接する機会が多いことです。学生の学習意欲を伸ばすことができるよう、ドローンや3Dプリンターなどの設備の充実にも力を入れています。
私も学生と接する機会の多い業務を担当しています。主に、学生が実験を行う際の機具の準備や事務手続きなど、教育支援を行っています。大事にしているのは、一人で考え込む学生に話しかけ、疑問点を聞いてアドバイスしたり、必要に応じて先生にも相談したりし、力になることです。
指導方法もさまざまですよね。私は、学生が自分で課題を発見し、解決する力があれば社会に出ても活躍できると考えています。そのために心掛けているのが、答えを与えすぎない指導です。学生が疑問を持ち、それを解決する過程で考える力が養われると感じています。
私は、課長として技術職員の管理も担当しており、そこで力を入れているのは職場環境の整備や研修などを充実させることです。技術職員がモチベーションの高い状態で業務に取り組めるよう情報収集を行い、現場のスタッフの気持ちを理解できるように努めています。
よりよい教育を提供したいという気持ちは同じですね。さまざまな個性を持つ学生たちですが、どの学生も高学年に進むにつれて専門知識を深め、自信をつけていきます。学生と近い距離で、先生方とは異なる相談役として、その成長を見守ることができるのは、技術職員ならではのやりがいです。
技術職員はこれまで表に出ることが少ない職種でしたが、今後は私たちの努力が学生の成長に影響を与えたり、研究者と伴走できる存在としてスポットがあたりはじめたと実感しています。また、様々なステークホルダーの方とワクワク・ドキドキを共有できる職種になりつつあります。ぜひ、興味があれば、チャレンジしてほしいと思います。
技術系職員の仕事
大学や高等専門学校のキャンパスには、講義棟、実験研究棟をはじめ、附属図書館、附属病院、附属実験所、附属農場などさまざまな施設があり、多種多様な教育研究活動が行われています。
技術系職員は、これら施設の整備計画・維持管理など建設プロセスの全てをマネジメントする「施設系」と、専門知識を生かして、技術面から教育・研究をサポートする「教育研究系」に、大きく分かれており、大学・高等専門学校の運営に幅広く関わっていきます。
あなたもぜひ、この広いフィールドで「チカラ」を発揮してみませんか?
業務内容
施設系(整備計画・維持管理)
- 施設設備にかかる企画および調査に関する業務
- 建物、設備などの計画、設計積算、施工監理および検査業務
- 工事の入札、契約および監督に関する業務
- 施設の有効活用に関する業務
- 環境保全および安全管理・安全教育に関する業務
- 施設などにかかる新たな設備手法の導入に関する業務
教育研究系(教育・研究支援)
- 実験・実習の題材の検討、器具類の準備・調整等、学生への技術指導
- 実験設備・装置等の維持管理(整備、調整)等、安全な研究環境の提供
- 装置を用いる実験・測定のための条件を検討、試料の調製・測定・解析等、精度の保障
- 研究・実験に用いる装置等の設計・製作・改良、試料の作製等、幅広い実験の実現